このページにコメントを付ける

転写シートを使った器(K.N.さんの作品)

カテゴリー: 
ガラス教室の作品紹介  2017/03/15 (水) 10:59 水吉郁子
IMG_7083_m.JPG
今回は、陶芸用の転写シートを使って制作した作品を紹介します。

転写シートは、陶芸の世界で広く使われている材料で、
アルファベットなどの文字、犬や花といった具象的な絵、
そして、幾何模様や帯模様など、
数え切れないほどの絵柄があります。
その中から、ガラスの焼成温度に合うもの探して、
ガラス板に貼って、電気炉で加熱すれば、
簡単に、綺麗に、絵や模様を描くことができます。

ただ、転写シートの絵や模様はとても綺麗で、完成度も高いため、
手を加える余地が少なく、
作り手の個性を出すのが難しいという面があります。

K.N.さんはそういう難しさを乗り越えて、沢山作品を創りました。

1作目は、細かい青海波という文様
転写シートを使った作品です。(上の写真)
転写シートを透明の板に焼き付け、
縁の部分に丸い粒を置いて、
電気炉で焼成してお皿にしました。

転写シートを素直に生かした作品ですが、
転写シートが目立ち過ぎないよう工夫してあります。
転写シートの上にガラス粉を被せて、
ガラス粉の粒々が残るように、
比較的低い温度で焼成したところです。
そうすることで、転写シートが前面に出るのを抑え、
縁の粒と転写シートとの色合いが綺麗な作品になりました。


2作目(下の写真)は1作目と同じ転写シートを使っていますが、
転写シートにガラス粉を被せるのではなく、
ガラス粉でランダムに点々を描き加えてお皿に仕上げました。
点々に目を惹き付けることで、
点々を主役、転写シートを引き立て役に、ということです。
これは上手く行き、
点々が印象に残る楽しいお皿になりました。
IMG_7081_m.JPG

この作品、結構気に入ったのですが
まだ転写シートの印象が強い感じなので、
全面に転写シートを使うのではなく、
転写シートでパーツを作り、
それを使って作品を作ることにしました。

3作目(下の写真)。
写真だと、ピンクのパーツの色が微妙に違うようにしか見えませんが、
色が薄く、少し透き通って見えるピンクの四角い部分が
細かい幾何模様の転写シートで作ったパーツです。
はっきりとした濃いめのピンクの四角は
ガラスの粉からガラス板を作る、
いつもの方法で作ってあります。

そこに青いパーツを加え、
3種類の四角を配置して、
上から細かいガラス粉を被せて加熱焼成してガラス板を作り、
スランピングでお皿にしました。

転写シートの四角とガラス粉から作った四角の
質感の違いが面白いですね。
また、上にガラス粉を被せたことで柔らかい印象になり、
全体がまとまった感じです。
IMG_7746_m.JPG

4作目(下の写真)は、3作目とほぼ同時進行で
同じ方法で作りました。
ただ、こちらは青いパーツなしで、二種類のピンクだけにしました。
その結果、質感の違いが明確になりました。
この作品がK.N.さんの一番のお気に入りです♪

難しく思える材料でも、
作品を作り続けると見えてくるものがあり、
そこに作り手の個性が出てきます。
面白いですね。
IMG_7747_m.JPG

Plain text

  • HTMLのタグは使えません.
  • 改行と段落付けは自動的に行われます.
画像認証
機械的な書込みを防止するために画像認証を設けています。ご協力ください。
Image CAPTCHA
Enter the characters shown in the image.