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女神のガラス絵(ガラス教室のM.M.さんの作品)

M.M.さんはチベット仏教にまつわる作品を数多く作っています。
今回は
福と長寿をもたらすと言われる女神
「ナムジャマル仏頂尊勝母」のガラス絵を作ることにしました。
まず、仏像の背景になる
紫色の大きな円と緑色の小さな円の板を作ります。
それぞれの色のガラス粉を選んで、
棚板に円形に置いて、焼成します。
この二つの円形の板を重ねて背景にするのですが、
そのまま重ねると、ガラスは色が透けますから、
下の色と混じって色が濁ってしまいます。
そこで、円が重なる部分は
下側の紫色の大きな円をカットして取り除きます。
そして、二つの円の板を棚板に置いて
上から透明のガラス粉をかぶせて、
周囲の部分にも透明な粉を置いて、
四角い形にします。
これを焼いて、二つの円を焼き込んだ
四角い板ができます。
その後、紫の大きな円の周囲に赤い粉を置き、
緑の円の周囲に黄色の粉を置きます。
そして、もう一度加熱して焼き付けます。
これで後光を感じさせるベースのガラス板ができました。
次は、お釈迦様と台座のパーツです。
ペースト状にしたガラス粉を
筆を使ってプラスチックシートに描いていきます。
台座の花のグラデーションや髪飾りや腕飾りなど
微妙な色の変化があり、細工が細かいので、
筆で描くのは技と根気がいります。
描き終わったら、乾燥させて、剥がして、焼きます。
焼き上がった女神のパーツに絞り出し技法で
細い線を描き加え、
ベースの上に置き、焼き付けて、
女神様のガラス絵の完成です。
盛り塗り技法はガラス粉を使って
筆で自由に絵が描けるようにと考えた技法なのですが、
この作品を見ると
ガラス粉でこんなに繊細に自由に絵が描けるのだと
改めて驚き、感動してしまいます。
この作品、
現在、国立新美術館で開催中の
「躍動する現代作家展」に入選しました。
(こちらに案内があります)
おめでとうございます!
実物を細部まで見ると
見れば見るほど、はぁ〜〜と感心してしまいますよぉ。
M M さんはガラス板で作るガラスフュージングもしていて
その技法で作った下記の作品「BlueLotus」も入選しました。
先日紹介したU.Aさんと共にダブル入選です。
凄いなぁ、嬉しいなぁ。


