蜘蛛の巣のガラス絵(ガラス教室のU.A.さんの作品)

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ガラス教室の作品紹介  2025/11/27 (木) 12:52 水吉郁子
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U.A.さんは
写実的な要素とデザイン的な要素を
組み合わせた作品を作っています。
今回は蜘蛛の巣を題材にガラス絵を作ることにしました。

制作工程は丸い模様のパーツ作りから始まります。
盛り塗り技法で
プラスチックシートに円を沢山描きます。
円が重なりあったデザインにしたいので
パーツが厚くならないよう
薄めに溶いたガラスペーストで
薄く薄く描きます。

これを乾燥させて、剥がして、焼くと、
丸いパーツができます。
その際、焼成温度が高いと縮んで、形が崩れやすいので
正円が崩れないように
比較的低温で焼成時間も短くして焼きます。

次に、このパーツを焼き込んだガラス板を作ります。
棚板に丸いパーツを配置して、
上から透明のガラス粉をかぶせて、焼きます。

でき上がったベースのガラス板に
蜘蛛の巣を描き加えます。
蜘蛛の巣の糸は
絞り出し技法で白いガラス粉を使って描きます。
そして、蜘蛛の糸に
雨の雫を模した小さなガラス粒をつけます。
そのガラス粒は小さなガラス片を高温で焼いて
丸くしたものです。
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描き加えた蜘蛛の巣を焼き付けるために
もう一度焼いて、蜘蛛の巣のガラス絵の完成です。

デザイン的な背景とリアルな蜘蛛の巣に
作者独特の世界観が感じられる作品になりました。
一粒一粒つけていった
雨の雫のキラキラが綺麗でリアル!
雨上がりの朝、
朝日に光る蜘蛛の巣の美しさが
見事にガラス絵になりました。
雨粒のキラキラを直に見てほしいなぁ。

この作品、
「躍動する現代作家展」に入選したそうです。
おめでとうございます!
「躍動する現代作家展」は現在開催中(11月27日〜12月7日)で
この作品(作品名「蜘蛛の巣」)が展示されています。
(こちらに案内があります)
11月30日、12月7日に
U.A.さんは会場にいるそうです。

同時に応募した作品(作品名「海月」)も入選し、展示されています。
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