そこにあったカケラから生まれた長皿(K.S.さんの作品)
教室には失敗作や端っこを切り落としたカケラを入れたカケラ箱があります。
これまで、このカケラを使った作品を沢山紹介してきましたが、
実際のところ、カケラを使うのはそんなに簡単ではありません。
一番の問題は大きさや形や色がバラバラなところです。
使い易い、丁度良いものはそんなにありません。
K.S.さんは、辛子色と紺の
大きさも形も程良いカケラに出会えたので、
それを使ってみることにしました。
カケラを同じような大きさにカットして並べ
ポイントに所々青い丸い粒を置き、
上から細かいガラスの粉をかけて長皿に仕上げました。
パーツの形を揃えて向きを合わせたことで、
作品全体がすっきりとした心地よい作品になりました。
こんな作品を作りたいというイメージが最初にあって、
そこから作品を作ることもありますが、
そこにあったカケラが出発点になって、
そこから作品を作ることもあります。
K.S.さんは、オレンジやブルーや明るいグリーンを使うことが多く、
辛子色や紺を使うことはなかったので、
カケラ箱での出会いが、
普段使わない色を使う良い機会になりました。
K.S.さん自身、制作が新鮮だったと言ってました。
普段使わない色を使ってみると、
色の組み合わせを考えさせられたり、
いろいろと気付くことがあったりします。
それが、色を使うトレーニングになり、
結果、作品の幅が広がっていきます。
切れ端を無駄なく使うために始めたカケラ箱ですが、
こんな効用もあります。
--- [ 2017年6月5日追記 ]---
鰹のたたきを盛ってみましたということで
K.S.さんが写真を送ってくれました。
お皿の色と盛り付けたお料理の色の組み合わせがとても素敵です。
盛るものによって作品の印象が変わるところが、
お皿の面白さでもあります。