鮮やかな藤色と渋い色のバランスが美しい四角皿(N.M.さんの作品)

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ガラス教室の作品紹介  2016/06/11 (土) 10:06 水吉郁子
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まず、底面になる四角の部分から作っていきます。
吹きガラスのカケラを並べ、
その上からザラメ状の透明なガラス粉をかぶせて、
電気炉で焼成してガラス板にします。
そのガラス板を裏返して、透明な部分に鮮やかな藤色のガラス粉を塗り、
再度焼成して藤色のベースが出来ました。
吹きガラスのカケラの部分には藤色を塗っていないので、
カケラの色と藤色の対比が鮮やかな色合いになりました。

次は、縁の部分です。
底面の四角いガラス板をよく見て、
色のバランスを考え、五つの渋い色を選びました。
そのガラス粉からガラス板を作り、
幅1センチ、長さ5センチくらいの短冊状にカットして、
藤色の板ガラスの周りに並べました。
そして、四隅の部分と、短冊状の板ガラスの隙間に
銀色の雲母を施しました。
これで、渋い色合いにさりげない華やかさが加わりました。

そして、もう一度焼成して全体を1枚のガラス板にして、
さらに、スランピング技法で四角い皿の型を使って
もう一度加熱して四角皿に成型しました。

これで、鮮やかな藤色と縁周りの渋い色のバランスが
美しい四角皿の完成ですが、
この作品は、単に美しいだけではありません。

お皿だけ見ると鮮やかで美しいのに、
そこに料理を盛り付けると、料理とお皿の色が喧嘩して
うるさくなってしまうことがあります。
では、白とか、単色のシンプルな皿が良いのかというと、
それでは器を作る楽しさはありませんし、
器を選んで使う楽しさもありません。

この作品は底面が鮮やかで鑑賞して美しく、
そして、料理を盛り付けると
その料理によって藤色の部分が隠れるようになっています。
そして、縁周りの渋いパステルカラーが
料理が引き立てくれます。
料理を盛り付けた状態まで考えて作ってあるところが
この作品の魅力だと思います。

見て美しく、使っても美しい器ですね♪
器作りは奥が深いな~