静かに夜桜を眺める犬のガラス絵(ガラス教室のS.T.さんの作品)
今回紹介するのは、S.T.さんの
夜桜をモチーフにしたガラス絵です。
制作工程から紹介します。
まず、背景となるベース板を作ります。
紫と白のガラス粉を
夜空のイメージで配置して焼成します。
次は木の枝や幹のパーツ作りです。
これはペースト状にしたガラス粉で
シートの上にパートの絵を描き
剥がして焼くという方法です。
盛り塗りパーツって云うのかな。
もう一つ、犬のパーツも作ります。
こちらは盛り塗りではなく
白い板をカットしたものです。
できたパーツをベース板の上に配置して
絞り出し技法で桜の花と足元の花を描き加えます。
(下の写真)
このとき、パーツがずれると面倒なので、
パーツは糊でベース板に仮止めしておきます。
そして、上から透明なガラス粉をかぶせて焼きます。
透明なガラス粉をかぶせることで
パーツや花の上に透明なガラスの層ができ、
埋め込まれた格好になります。
その層の上から、更に花を描き加えて
焼き付けて完成です。
桜の花を描き加えることで立体感が増しました。
この立体感が写真で分かるかしら?
立体感と同時にボリューム感も増して
華やかさもマシマシです。
この華やかさに目が行きますが、
実は、作品のテーマは花ではなく、
桜の下で静に眺める
犬の気持ちを表現したそうです。
誰もいない音もない夜に
目の前に広がる桜と自分だけの世界。
心地よい孤独のイメージですね。
見ていると心が平らになって落ち着きます。