重なり合う葉っぱの四角皿(Y.S.さんの作品)
Y.S.さんは北海道での自然豊かな所に住み、
身の回りの植物や動物をモチーフに作品を作っています。
今回は、重なり合った葉っぱをイメージして
四角皿を作ることにしました。
葉っぱを重ねる方法はいくつかあります。
一つは、先日紹介した超薄ガラス板を重ねる方法です。
もう一つ、ガラスの粉からガラス板を作る際に、
粉で層を作って、そこに粉で葉っぱを描き、
重ねていく方法もあります。
Y.S.さんは、こちらを採用しました。
まず、棚板の上に、無色のガラス粉で薄い層を作り、
そこに、型紙を使って
黄緑色のガラス粉で葉っぱを描きます。
無色のガラス粉は、焼成すると乳白色に見えますから、
乳白色の地に葉っぱを描いたように見えます。
そうしたら、黄緑色の葉っぱを描いた上に、
もう一度、無色のガラス粉の薄い層を重ね、
今度は緑色のガラス粉で葉っぱを描きます。
そして、再び薄い層を重ねて、黄色い葉っぱを描きます。
こうして、葉っぱを描いた薄い層を3層重ね、
最後、無色のガラス粉を上から被せます。
これを電気炉で加熱焼成すると、
葉っぱが重なったガラス板ができるので、
スランピング技法でお皿に成型して完成です。
色のついた葉っぱの間に
乳白色の層を入れることで、
微妙に奥行き感が出ました。
乳白色の層を通して見える色には
独特の優しい柔らかさを感じます。
イイ感じです。
それから、
色のついたガラスの粉を重ねて焼成すると、
化学反応して変色することがあるのですが、
間に無色のガラス粉を挟むことで
変色を防ぐ効果もあります。
ガラス粉の性質を理解して制作した作品です。
美しいですねぇ。