進化するジェリービーンズ(ガラス教室のI.M.さんの作品)
I.M.さんは数年前からジェリービーンズをモチーフにした
作品を作り続けています。
(右の写真が初期の作品です。)
そして、作品は進化し続けています。
初期の作品では、カラフルな色をシンプルに表現していましたが、
その色自体が進化してます。
たとえば、ちょっと薄めの色が欲しいとき、
元々薄い色のガラス粉を使う方法と
濃い色を希釈して使う方法があります。
パッと見るだけだと両方とも似たように見えますが、
濃い色を希釈する方法だと、
よく見ると、濃い色のガラス粉の小さな粒が
散らばっているのが見え、
そこに、ある種の変化があります。
こうした変化によって色に複雑さが加わり
色が味わい深くなります。
一方、薄い色をそのまま使う方法だと
色は一様で変化はありません。
こちらの方は、色がストレートに見え
可愛く感じるように思います。
これは薄い色の場合でしたけど、それ以外でも
作り方によってガラス生地の風合いなどに違いが出てきます。
そして、人間というのは不思議なもので、
このような、パッと見るだけでは分からない微妙な違いを
感覚的に感じ取ることができます。
そして、教室では、I.M.さんの作品を見た人から
「わあ、かわいい〜」という声が聞こえてきます。
この他にも、透明色の粉と不透明色の粉を混ぜたり、
いろいろ工夫があります。
こうして、ジェリービーンズの粒一つ一つにまで気を配ることで
作り手の思いが作品に込められていくのだと思います。
ジェリービーンズの粒の配色も進化しています。
I.M.さんの制作作業を見ると、(一番下の写真)
粒を並べるときに、何度も位置を変えたり、
別の似たような色に置き換えたり、
微妙なところに気を使っていることが分かります。
そして、最初は小皿だけでしたが、
大皿、ボウルなど、形のバリエーションも増え、
カラフルで甘く優しい
ジェリービーンズシリーズになりました。
このシリーズ、2023年8月5日〜29日に
笠間市のグラスギャラリーSUMITOで開催する
「美鈴硝子・怒木麻衣ガラス2人展」に
出展するそうです。
(こちらに案内ハガキがあります)
ジェリービンズの大皿
制作風景