色の重なりと表情を楽しむぐい呑み(U.A.さんの作品)
この作品はサギングという技法を使って
ガラス板をぐい呑みに成型してますが、
その技法の特徴を上手に利用しています。
まず、作り方から。
最初、中央部分に丸いガラス粒を配置し、
上から透明なガラス粉を被せて焼成します。
これで、中央に丸い粒が入った透明なガラス板ができます。
そこに中央の丸い粒から周囲に向けた線を加えます。
ガラス粉を薄く置き、
それを爪楊枝などで引っ掻くことで、
絵柄が浮き出るスクラッチ法を使います。
結構大胆に、サッサッと爪楊枝で引っ掻いたので、
線に勢いが出て、
ガラス板全体に独特の表情がつきました。
そして、線の上にランダムに色を付け、
サギング技法で成型してぐい呑みの完成です。
サギング技法を使うと、
ガラス板を加熱して柔らかくなった時に、
周辺部分が伸びます。
この伸びを想定して、
中央の点の周りに線を描いてあります。
スクラッチ法で勢いよく描いた線が、
よりシャープさを増し、
動きが増した感じがします。
一方、中央部分は、あまり伸びませんから、
元の図案がそのままの形になります。
そこに丸い粒を置くことで、
くっきりとしたガラス粒が見えます。
それが周囲の動きのある線との対比によって
視覚効果を作り出しています。
また、線の上に色を付けたことで、
見る方向によって色が変化するところも面白いですし、
テーブルに写り込んだ影も個性があります。
見どころ満載ですね。
こんなぐい呑みで花見をすると
ついついお酒が進んでしまいそうです♪