淡くシャープな市松模様の四角皿(ガラス教室のS.K.さんの作品)

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ガラス教室の作品紹介  2022/02/02 (水) 15:14 水吉郁子
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昨年秋からパウダーフュージングを始めた
S.K.さんの初作品です。

最初、カケラ箱に入っていた
淡い色合いの綺麗なカケラを見つけたので
それを使ってそのガラス板を作ることにしました。
5ミリ角ぐらいの大きさにカットして棚板に置き
上から透明のガラス粉をかけて焼きます。
小さなカケラが散りばめられた
淡い透明感のあるガラス板ができました。
そのまま縁をカットして整え、
お皿にしようとしたのですが、
カットに失敗して割れてしまいました。

修正して何とかなる状態ではなかったので
方針変更です。
どうしようかと考えた末、
2センチ角にカットし、
それをパーツとして使って
市松模様を表現することにしました。

四角いパーツを市松模様に並べ、
上から透明のガラス粉をかけて焼いて
ガラス板にしました。
綺麗に焼き上がったのですが、
淡い色と透明の組み合わせなので、
色が馴染み過ぎて模様がはっきりしません。

ここで、また考えました。
元のガラス板の部分の裏に
白いガラス粉を塗って焼き付けてみたのです。
すると淡い色がくっきり見えるようになり、
透明の部分との対比もはっきりして
綺麗な市松模様になりました。
淡い色の優しい感じと
市松模様のシャープさが同居して素敵です。

思い通りに行かないことも多々ありますが、
そのときに、よく考えれば、
別の道が見えてきます。
普段は気づかない、思わぬ場所に
道が通じているかもしれません。
それが、作品の幅を広げる結果になることもあります。
それも物作りのおもしろさですね。