子猫の丸まる小皿(N.M.さんの作品)
子猫の皿を作りました。
お皿の中にいる猫の姿がとても自然に見えますが、
自然に見せるためにいろいろと工夫し、手間をかけています。
まず、丸まった猫の胴体の部分です。
猫の絵の下書きに合わせて白とグレーと茶色の粉ガラスを置き、
電気炉で焼成して板ガラスにしました。
次は手と足の部分です。
手と足を立体的に見せたかったので、
別に作った板ガラスを手と足の形にカットして、
それを胴体部分の板ガラスの上に乗せ、
電気炉で加熱して焼き合わせました。
下絵を見ている人はともかく、
この時点ではまだ何ができるのか分かりません。
顔がないと、何だか分からないんですね。
次は、その顔です。
目と鼻の位置を決めて型紙を作り、
そこに粉ガラスを振りかけて顔を描きます。
これでかなり猫らしくなりました!
でもまだまだ猫ーーー!という感じがしません。
耳と頭を線で描こうかと思ったのですが
はっきりした線を描くと
せっかくのくしゃくしゃの毛の感じがなくなってしまうような気がします。
いろいろ考えた末、
耳のところだけ白を強調して色をつけてみることにしました。
でも、ここで一工夫。
耳の部分に白い粉ガラスを置いて焼き付ければ耳は白くなりますが、
それだと、お皿の表面に白い色が乗るので、
白が強くすぎて、粉ガラスの風合いが消えてしまいます。
そこで、棚板の上に耳の形に合わせて白い粉ガラスを置き、
その上に猫の姿のガラス板を置いて焼成しました。
こうすると、お皿の裏に白い部分がくることになり、
お皿の淡い色を通して耳の白が見えるようになります。
これで、粉ガラスの風合いを損なわずに耳を強調できました。
下にお皿をアップで写した写真がありますが、
耳が少し白くなっています。
ガラス板を乗せて作った手と足もちょっと立体的になっています。
分かるかなぁ?
いろいろと工夫し、何回も焼成して、
粉ガラスの柔らかな風合いを活かした猫の小皿ができました♪
ガラスなのに、ふわっとした猫の感じが伝わってきます。
とても素敵な力作ですねー。