初夏の風香る小皿(ガラス教室のK.K.さんの作品)

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ガラス教室の作品紹介  2020/05/13 (水) 17:21 水吉郁子
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パウダーフュージングには絵を描く方法がいくつかあります。
その一つがスクラッチ法で、
ガラス板の上に色のガラス粉を置き、
爪楊枝などで引掻いて線を描く方法です。

これまでは、その線がよく分かるように
濃度が濃いガラス粉を使うのが通例でした。
しかし、濃度が濃いガラスは
膨張係数の違いで割れるなど、
いろいろ注意すべき点があります。

K.K.さんは面倒なことを気にしたくなかったので、
色ガラス粉を透明のガラス粉で希釈し、
たっぷり使うことにしました。
そして焼成温度も低くしました。

写真では分かりにくいのですが
色ガラス粉を厚く置いてから引掻いたので
溝が深くできました。
そして低温で焼いたことで
ガラス粉のツブツブが完全に溶けずに残り
その凹凸が光をキラキラと反射するようになりました。
立体感も出て、独特の風合いです。
初夏の風が通り過ぎていく、
そんなイメージが広がります。

スクラッチ法は以前からあった方法ですが、
ガラス粉を変えることで、
その特徴や魅力が変わりました。
これは再発見です。
写真だと、その違いが伝わらないかもしれません。
ちょっと残念。