カケラを活かしたぐい呑み(F.T.さんの作品)

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ガラス教室の作品紹介  2017/05/08 (月) 14:14 水吉郁子
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先日、たまたまカケラ箱に
丁度良いカケラが入っていたという話
を紹介しましたが、
そんな都合良い話ばかりではありません。
使えそうにないカケラばっかり、というのが常です。
でも、そんなカケラにも使い方があるという話です。

F.T.さんはカケラを使った作品を沢山作ってきました。
最初は、形になること自体が楽しい、という感じでしたが、
繰り返し作ることで、カケラの使い方が進化してきました。
その進化の重要な要素はカケラを分類整理するところです。

F.T.さんは、カケラ箱の中に使えそうなカケラを見つけると、
色や形など、いろいろな視点で細かく綺麗に分類整理して、
自分の個人ボックスに貯めています。

そうやって整理しておけば、
カケラを使える素材に変身させることができるということです。
でも、常日頃から心掛けていないと
カケラを集めることも、整理することもできません。
結構手間がかかりますが、
それが作品を作る大事な工程の一つになります。

さて、今回紹介する作品はぐい呑みが二つ。
一つは、棒状のカケラをリズミカルに置いて
縁回りから滴が伝うようなデザインのぐい呑みです。(写真の左上)
もう一つは、縁回りに花のように
カケラをあしらったぐい呑みです。(写真の右下)

カケラを置いて、透明のガラス粉を被せてガラス板にして、
ぐい呑みの形に成型するというシンプルな工程ですが
分類整理したカケラを使うことで、
一つ一つのパーツの形や色のバランスがとれています。
この作品のために、パーツを作ったみたいです。

作る毎に作品の完成度が上がり、
そこに作者の意志が反映され 個性がにじみ出てきています。
すばらしい♪