どんな形でも自由に作れる「つなぎ成形技法」
新しい方法を思いついたので、紹介したいと思います。
本題に入る前に、まず、
ガラスカッターだと上の写真のような形は
カットできない、という話から。
ガラスカッターでガラス板を切る作業を分解すると、
(1)ガラスカッターでガラス板の表面にキズを付ける
(2)軽く衝撃を加えると、
そのキズに沿ってガラス板が割れる
という二つの組み合わせになっていて、
キズに沿って綺麗に割れるかどうかがポイントになります。
直線とか緩い弓形ならいいのですが、
U字形やV字形に凹んだ形だと、衝撃を加えたときに、
キズに沿って綺麗に割れてくれません。
だから、上の写真のように、
凹んだ箇所がある形は、ガラスカッターじゃ
上手くカットできないんです。
この辺は経験しないと分かりませんけど、
まあ、そういうものだと思ってください。
それでも、凹んだ形が欲しい、
という場合もあります。
そんなときは、ガラスを削る機械で
凹んだ形の部分を削るとか、
曲線をカットできる機械を使ったりしますが、
機械を使うと音がうるさかったり、
欠けたり割れたりすることもあります。
手軽にできる感じじゃありません。
そんな状況で、
凹んだ形でも何でも、自由に、しかも簡単に、
作れる方法を思いつきました。
名付けて「つなぎ成形技法」です♪
まず、白いガラス板に下絵をトレースします。
(右の写真をタッチ/クリックすると拡大します。)
描いた絵柄の周りをガラスカッターで
無理なくカットできる範囲でカットします。
その次、下絵の形にガラスをカットしますが、
絵柄の形をそのまま切り抜くのではなく、
右の写真のように、絵柄を切断して、
バラバラにカットしてしまいます。
U字やV字の凹んだ形にならないよう、
ガラスカッターで無理なくカットできるラインを考えて、
切断するわけです。
こんな風にバラバラに切り刻んでも大丈夫です。
右の写真のように、棚板の上で元の形に並べて
電気炉で加熱溶着すれば、くっ付くからです。
右の写真が加熱溶着したものです。
ガラス板が溶けて切断した箇所がくっつき、
元の下絵の形のガラス板ができました♪
熱でガラス板が溶けるので、
角が丸くなり、自然になめらかな美しい形になります。
磨く必要もありません!
加熱するときの温度加減とか、
ガラスの厚さとか、
コツはありますけど、
基本的に、これだけです。簡単!
後は、適当に色を付け、(右の写真)
電気炉で加熱して焼き付け、
縁の部分を少し持ち上げるように成型すれば、
お皿の完成です。(最初の写真)
上は、1枚のガラス板を絵柄に合わせて切断する方法でしたが、
カケラを繋げて形を作ることもできます。(右の写真)
上手く繋がるように、
形や色味を考えてカケラを選ぶのが
ちょっと難しいんですけど、
加熱して溶着させる考え方は同じです。
ガラスのパッチワークっていう感じかな。
自由に形を作れると、ホント、楽しいので、
教室で皆に体験してもらっているところです。
今年の教室展(2019年10月20日~26日の予定)の
企画展示にも採用しました。
今、教室の皆さんの作品が続々とできているので、
近々、紹介しますね。