陶器のような不思議な風合いのガラス噐(F.K.さんの作品)
最初、
「緑のグラデーションのお皿が作りたいんです」
ということで、制作作業が始まりました。
まず、グラデーションを作るためにガラス粉の準備です。
色の濃さは、
色がついたガラス粉と、色がないガラス粉を混ぜるときの
配合比率で調整します。
なので、配合比率を変えたガラス粉を何種類か作って
それを順番に並べればグラデーションができます。
今回は4種類の配合比率を変えたガラス粉を用意しました。
それを同心円状に棚板に置いて、丸いベースを作ります。
次は電気炉での焼成工程です。
普通、ガラス粉が完全に溶けるように、
比較的高い温度で焼成します。
すると、表面がツルッとしたガラス板ができます。
でも、F.K.さんは
「ガラス粉の粒の風合いを残したいので、
低めの温度で焼いてください!」
ということでした。
低めの温度だと、ガラス粉が完全に溶けず、
ガラス板の表面にガラス粉のツブツブが少し残って、
少しザラッとした感じになります。
また、粉の粒と粒の間の隙間にあった空気がたくさん残り、
不透明な度合いが増します。
透明じゃないから、ガラスには見えません。
陶器のようにも見えますが、
光を透過するところが陶器とは違います。
なんとも独特な風合いのガラス板になりました♪
これを、スランピング技法で噐に成型します。
グラデーションの同心円の中心を、
わざとずらして変化をつけました。
上の写真の右上に見える濃い色の丸がそれです。
器の中心部分も色が濃くなっていますが、
ここはガラスの色が濃いのではなく、
器の底が影になって色が濃く見えるだけです。
その見え方も面白いですね。
今回は淡い色合いでしたけど、
もう少し全体の色を濃くしたら
また違った感じになりそうな気がします。
これからの展開が楽しみ♪
さて、出来上がった器に何を盛り付けましょうか。
透明なガラスだと、サラダやカルパッチョなど
冷たいものが似合いそうですが、
この作品は、ガラスでありながら陶器のようにも使えそうなので、
普通のガラスよりも盛り付けの幅があって、
使う面白さも広がりそうです。
作品を持ち帰ったF.K.さんが
こんな風に使ってます、と写真を送ってくれました。(下の写真)
チャーハンがおしゃれに見えますねー(笑)