透明感のある淡い色が魅力の楕円皿(I.M.さんの作品)

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ガラス教室の作品紹介  2017/03/21 (火) 15:47 水吉郁子
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パウダーフュージング技法は、
主にガラス粉を材料にして作品を作りますが、
ロンデルという、気泡の入っていない丸いガラス板
使うこともあります。

I.M.さんはロンデルの淡い色合いと透明感がとっても好きなので、
それを使って作品を作ることにしました。

まず、淡い色合いのロンデルを
直径3センチほどの円にカットして、棚板に置き、
その周りに白いガラス粉を置いて楕円皿を作りました。
ガラス粉特有の柔らかな白いベースと
透明感のある円がお互いの質感を引き立て合う作品になりました。

この作品で使ったロンデルは、色合いが淡く、
白いテーブルに置けば色が分かりますが、(上の写真)
下の写真のように、
茶色いテーブルの上に置くと、
テーブルの色と同化して、無色透明の円に見えてしまいます。
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色が分からなくても、丸が透けて見えるだけで面白いのですが、
どんな状態でも同じように作品が見えるようにしたいと思い、
次の作品を作りました。

ロンデルを丸くカットして、
それを敷き詰めて間をガラス粉で埋めて、
楕円のガラス板を作ります。

ここまでは1作目と同じ考え方ですが、
今度は、ガラス板の裏面全体に
白いガラス粉を焼き付けて仕上げました。
そうすることで、白がテーブルの色を遮断して、
どんな色のテーブルに置いても、
ロンデルの淡い色が美しく映える作品になりました。(下の写真)
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新しい物を作る創作作業は
作ってみないと分からないことや、気付かないことが沢山あります。
なので、作って、改善して、という作業を繰り返す必要があります。
そして、繰り返すことで、作者の意図や好みが作品に反映され、
それが見る人に伝わっていくように思います。

最後は、ロンデルを丸くカットしたときに切り落としたカケラを使った豆皿です。
余りものとは思えないくらい綺麗!
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