虹を渡る愛犬のプレート(ガラス教室のS.Y.さんの作品)
先日、カケラを小さくカットして
大きさを揃えることで統一感を出した作品を
紹介しました。(右の写真)
今日は色を整えることで統一感を出した
S.Y.さんの作品を紹介します。
S.Y.さんはカケラを使った作品を沢山作っていて、
日頃から、
教室の隅にあるカケラ箱(右の写真)から
使えそうなカケラを探して、
溜めています。
そうして集めたカケラから
赤、オレンジ、黄色、黄緑、緑、青、紫の
カケラを選びます。
次に、カケラを削って形を整えます。
カケラは形がまちまちで、
思い通りの形ではないので
一つ一つ削って形を整えます。
そして、グラデーションを作るように
全体の様子を見ながら配置します。
カケラの配置を変えたり、
違うカケラと置き換えてみたり、
用意したカケラで上手く行かないときは
新しいカケラを削ってみたり、
とにかく沢山の試行錯誤が必要で、
とても手間がかかる作業です。
その手間を考えると、
イメージに合わせてガラス板を作って
それをカットしてパーツを作ってしまった方が
速いんじゃないかと
私は思ってしまうのですが、
S.Y.さんは、その手間隙をとても楽しそうに
何度もカケラを調整しながら仕上げていきます。
わざわざカケラを使う効果もあります。
ガラス板を作って、カットする方法だと、
思い通りのパーツが手に入りますから、
整然とした仕上がりにはなるでしょう。
でも、どこか単調で
面白味のない作品になりがちです。
その点、バラバラな形のカケラを使うと、
適度にランダムで意図しない面白味が出て、
見ている人を飽きさせず
楽しさが増すように思います。
こうして、カケラを配置し終わったら、
上から透明のガラス粉を被せて焼いて、
背景になる板ができます。
そして、盛り塗り技法で犬のパーツを作り、(下の写真)
上に乗せて、加熱溶着し、
スランピング技法で成型して、完成です。
この作品は
愛犬を亡くた友人のために作ったそうです。
愛犬がいなくなることはとても寂しいことですが、
楽しい思い出がよみがえる作品になりました。