花の灯り(ガラス教室のF.H.さんの作品)

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ガラス教室の作品紹介  2024/02/16 (金) 07:12 水吉郁子
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教室では、お皿やボウルなどの器を作る人が多いのですが、
F.H.さんは置物や時計やガラス絵などを多く作ってきました。
今回は灯りを作ることにしました。
F.H.さんは花が好きなので花をモチーフにしました。

お皿やボウルはガラス板を作って、
スランピング技法で成型する、
というように制作工程がおのずと決まりますから、
絵柄などのデザインを考えるだけでよいのですが、
オブジェや灯りは
どんな構造にするのか、
どういう手順で作ればよいのか、
というところから考えなければいけません。
出来上がった作品(最初の写真)を見れば
作品のイメージは分かりますが、
何もないところから、
頭の中にこのイメージを思い浮かべ、
構造や手順を考えていくので
それが難しくもあり、楽しくもあります。

さて、その構造ですけど、
上の写真だとちょっと分かりにくいのですが、
丸いガラス板とキューブ状のガラスパーツを
交互に積み重ねる構造になっていて、
2枚目から4枚目のガラス板が
中央に穴を空けたドーナツ状になっています。
そこに電球を入れてあります。

こうして、形と構造を決めたら
それぞれのパーツを作っていきます。

キューブ状のパーツは
3センチ角の板ガラスを
3枚重ねて加熱溶着して厚みをもたせました。
加熱溶着するだけだと縁がガタガタで
積み上げたときに安定しないので
ひとつひとつ、ルーター(研磨機)で
縁を平らに削ってあります。
一つの段に12個づつ使うので、全部で48個!
ひたすら、ひたすら、削りました。

パーツができたら
接着剤と地震対策用の粘着シートで
組み立てて完成です。

下の方から見上げると
茶色の大地の上に青い空が広がり
その空間に風に揺れる花のイメージが広がります。

点灯しなくても
キューブの色の変化でオブジェとして楽しめますし、
点灯すれば灯りとして楽しめます。
ガラスキューブの間から
光が見えたり隠れたりして
迫力のある美しさが魅力ですね。
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