紫陽花のガラス絵(ガラス教室のY.R.さんの作品)

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ガラス教室の作品紹介  2023/10/09 (月) 22:25 水吉郁子
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Y.R.さんは写実的な作品を作ることが多いのですが、
写実的に表現しようとすると細かな作業が多くなり、
教室の一回の講習時間(3時間)では時間が足りません。
そこで、なるべく自宅で作業して
教室での作業時間を減らす方法を考えました。

制作工程に沿って説明しましょう。
まず、自宅での作業です。
ペースト状にした白いガラスの粉を
ビニールシートの上には平らに伸ばします。
それを乾燥させ、そこに紫陽花の下絵を描き、
下絵に沿って輪郭線を絞り出し技法で描きます。
下の写真で出っ張った感じになっている部分が
その輪郭線です。
その後、絵の周辺の背景部分に
盛り塗り技法でペーストを塗ります。
これで、絵のベースになる部分ができました。(下の写真)
これを教室に持っていきます。

次は教室での作業です。
ベースの凹んだ部分に
紫陽花の花や葉っぱを表す色ガラス粉を
入れていきます。
そして、全体に透明のガラス粉をかぶせます。
仕上がりを四角い形にしたかったので、
絵の周囲にも透明のガラス粉を置いて
全体を四角い形に整えます。

要するに、ペースト状にしたガラス粉は
乾かせば固まって持ち運べますから、
その部分は自宅で作業し、
粉の状態のガラスは、動かすと粉が崩れてしまうので
粉を扱う作業は教室でする、ということです。

その後、焼成してガラス絵の完成です。

この作品のポイントはもう一つあります。
それは、紫陽花の花全体の下に
白いベースの層を作っているところです。
花や葉っぱの色の層は1〜2ミリ程度しかなく、
その程度の厚さだと、色が透けてしまって
とても薄い色になってしまうのですが、
ベースに白い層を置くことで
色が透けずに鮮やかに見えます。

繊細に色が変化する紫陽花がとても美しい~!

この作品、今月22日〜27日に開催する
パウダーフュージング教室展に出展します。
こちらに教室展の案内があります
瑞々しい紫陽花を直に見て欲しいなぁ。
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