粒の大きさで変わるガラスの表情(H.M.さんの作品)
H.M.さんは昨年春から教室に通うようになり、
いろいろと試しながら作品作りを楽しんでいます。
その作品を並べて見ると、
パウダーフュージングの特徴が分かって面白いので、
何点かピックアップして紹介したいと思います。
最初の作品は粒の細かいガラス粉を使った作品です。(上の写真)
白色の細かいガラス粉でガラス板を作り、
それを丸くカットした後、
型紙の上から色ガラスを振りかけて
猫の顔や肉球を描いた後、
髭や目や耳を描き足して、
最後スランピング技法でお皿に成型しました。
ベースのガラス板を細かなガラス粉で作ったので、
そこは柔らかな感じがします。
そして、上に描いた猫は型紙を使ったので
輪郭がくっきりとシャープな感じになりました。
とても可愛い!
次はザラメ状のガラス粉を使った作品です。
あらかじめ作っておいた白いガラス板を一部分に置いて、
その上のザラメ状のガラスの粉を乗せます。
そして彩りに緑と水色のガラスの粉を少し加え
低温で焼成して小皿にしました。
お皿の少し透明な部分を見ると、
ガラスの粒の大きさの違いが分かります。
今度は少し大きい粒のガラス粉を使ったので、
ガラス板の透明度が上がっています。
また、低温で焼成しているので、
ガラス粒の形が少し残り、
それでキラキラした仕上がりになっています。
このキラキラと白いガラスの対比が面白いですね。
次はもっと大きなガラス粒を使った作品です。(下の写真)
ガラス粉を作る過程でできる小梅サイズのガラス粒(右の写真)を
棚板の上にごろごろと、隙間を作らないようにして
お皿の形に並べていきます。
(カラス粉を作る工程はこのページにあります。)
それを電気炉で焼成すれば板になりますが、
それだけだと物足りない感じがしたので、
緑色のガラス粉を少しだけ上から振りかけて焼成しました。
そしてスランピング技法で四角皿に成型して完成です。
熱で溶けて丸くなったガラス粒の形が表面に残り、
それが「味」になっています。
そして、表面の凸凹が光を屈折させて
下に映った影もいい感じになりましたね~
これが大粒のガラスの特徴です。
ガラス粉の粒の大きさの違いを紹介してきましたが、
この他にもバリエーションが沢山あります。
色が160色以上もありますし、
焼成温度による違いもあります。
一つずつ試しながら作品を作り続けると、
その違いがだんだんと分かってきて、
作品作りのイメージが広がっていくと思います。
次はどんな作品ができるのかなぁ~