涼しさを感じる夏ボウル(ガラス教室のY.K.さんの作品)
ガラス粉は粒が大きいほど
溶けるのに時間がかかります。
なので、大きな粒を使うと
粒の形を残した
面白い風合いのガラスができます。
Y.K.さんは、この性質を利用して
夏らしいボウルを作りました。
制作工程は大きな粒を作るところから始まります。
ガラスの塊を500度位に熱して水の中に入れると
ガラスが急激に冷やされて
全体に亀裂が入ります。
左が元のガラスの塊で、右が亀裂が入った状態です。
これを軽く叩くと粉々になり、
下のような大きめのガラス粒ができます。
次は、この粒を入れ込んだガラス板を作ります。
棚板にザラメ状のガラス粉を丸く敷き詰め
その上に、この大きな粒を置き、
電気炉で加熱します。
ザラメ状のガラス粒は
直径2~3ミリと小さいので
電気炉の中で完全に溶けて平らになります。
一方、大きい粒は表面が溶けて丸みを帯びますが
中心部は溶けずに粒の形を残したまま
下に敷いたガラスに溶け込みます。
それをスランピング技法で成型して
完成です。(一番上の写真)
工程はとてもシンプルですが、
素材の質感と性質を生かした作品になりました。
縁回りに色が伝わって見えるところや
表面の凸凹による色の変化と光の屈折が美しい♪