曼荼羅のガラス絵(ガラス教室のM.M.さんの作品)

M.M.さんはチベット仏教にまつわる作品を数多く作っています。
今日紹介する作品は曼荼羅のガラス絵です。
まず、銀箔のガラス板と
紫がかったガラス板を作ります。
それをランダムにカットして棚板に置き、
その上に
中央から外側に向かって段々とオレンジが薄くなるように
オレンジ色のガラス粉を置きます。
その後、全体に透明のガラス粉をぶせて、
もう一度焼きます。
できたガラス板を裏返すと
銀箔のパーツがハッキリ見えて綺麗です。
その上に絞り出し技法で線画の模様を描き、
丸く焼いたガラス粒を加え、
それを低温で焼き付けて完成です。
この作品で面白いのは
オレンジのガラス粉の色が変化しているところです。
下の拡大写真を見ると分かるのですが、
銀箔の多角形のパーツが
オレンジ色のガラス粉と化学反応して
周辺部分がぼんやりと黒くなっています。
これを黒化と呼びます。
普通、黒化が起こると色が濁って汚くなるので
失敗と感じるのですが、
この作品の場合、
黒化することでパーツの輪郭が強調され、
パーツを浮き立たせて
全体が引き締まって見えます。
その結果、曼荼羅に不思議な力強さが加わり、
精密に描かれた模様の気持ちよさと
カッチリ感が際立った作品になりました。
内側からのエネルギーが放出されているみたいです。
