暖かな風合いの花模様鉢(ガラス教室のY.R.さんの作品)
今日は盛り塗り技法のもう一つの使い方を紹介します。
それは、盛り塗り技法でベースの板を作る方法です。
Y.R.さんがその方法で作品を作りました。
説明の前に、上の作品の裏側を見てみましょう。
裏側は表側とまったく違うんです。
では、制作手順に合わせて説明しますね。
最初、緑系のガラス粉で盛り塗りのペーストを作り
丸く穴の空いた大きな円を描きます。
これが鉢の裏面の緑の部分です。
同じ大きさの円をもう一枚描きます。
こちらは、全体が茶色で、
その中に白い丸が描いてあります。
こちらが表面です。
この2枚を重ねて焼きます。
これで、表が茶色で裏が緑色の
ガラス板ができました。
このガラス板をベースにして、
その表面に絞り出し技法で花の絵を描きます。
下の写真のようにマジックで下絵を描き、
その下絵にしたがって花を描きます。
その後、ところどころに丸いガラス粒を置き、
花の部分に黄色と茶色のガラス粉を振りかけて
焼き付けて
スランピング技法で成型して完成です。
これは何?と思うような風合いが面白い。
絵柄も魅力的ですねぇ。
茶色の粒々感のあるテクスチャーも良い感じです。
Y.R.さんに、
なぜ、盛り塗り技法でベースを作ったのか聞いたら
乾燥すると固まる盛り塗り技法は持ち運びができて、
自宅で作業ができるからだそうです。
私は、こんな風合いが欲しいとか、こんな質感が欲しいとか、
仕上がりのイメージから制作方法を決めますが、
持ち運びを考えて制作方法を決めるという
発想もあるんですね。