大人可愛いパステルグレイッシュなボウル(ガラス教室のY.J.さんの作品)
ガラスの粉は使い方によって
光を通したり、通さなかったりします。
その違いによって色の見え方や風合いに差が出ます。
Y.J.さんは、その差を生かした作品を作りました。
制作工程と合わせて説明しましょう。
まず、ピンクとグレーのガラス粉を選び、
それを棚板に置いて小さな丸を描きます。
その周りに無色のガラス粉を敷き詰め
全体を大きな丸い形にします。
それを焼成してベースのガラス板を作ります。
上の写真のピンクとグレーのモヤモヤとした
輪郭のはっきりしない丸い形が
ガラス粉を置いて作った模様です。
ここは柔らかく光を通す仕上がりになってます。
次に、盛り塗り技法で
ピンクの丸いパーツを作ります。
ピンクのガラス粉にペーストを混ぜ、
薄く伸ばした後、焼成して、
丸い形にカットするわけです。
同じようにグレーのパーツも作ります。
元になったピンクとグレーのガラス粉は
先程と同じものですが
はっきりとした輪郭の不透明な仕上がりになります。
このパーツを先程のガラス板の上に重ねて置き、
上から透明のガラス粉を被せて焼成し
サギング技法で成型して完成です。
光を通すかどうかは下の写真を見ると
分かりやすいと思います。
ガラス粉を棚板に置いて描いた
モヤモヤとした丸い模様は
光を通すので影が映っていません。
一方、盛り塗り技法で作った
丸いパーツの部分(輪郭がはっきりした丸い模様)は
光を通さないので影がくっきり映っています。
輪郭もモヤモヤしたり、はっきりしたり。
同じ材料なのにこんなに違うんですね。
技法の特徴を生かした
素敵な作品になりました。