丸みのある四角が魅力の長皿(ガラス教室のY.M.さんの作品)

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ガラス教室の作品紹介  2024/10/21 (月) 11:16 水吉郁子
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Y.M.さんは、色を使わずに
ガラスの生地そのものの色や風合いを生かした作品を
沢山作っています。
今回は白と透明を使って長皿を作る事にしました。

まず、不透明の白いガラス板を作り、
それをランダムな大きさに四角くカットし、
高温で焼きます。
熱で少し溶けて角が丸くなった四角いパーツが沢山できました。

それを棚板に並べ、
パーツの間に透明のガラス粉を敷き詰めて低温で焼きます。
高温で焼くと、
パーツの間に敷き詰めた粉が熱で溶けたときに
表面張力が働いて縮んで穴が空いてしまうため、
低温で焼くことでその穴を防ぎます。

それで穴は防げるのですが、
低温だとガラス粉が完全に溶けないので
粒の形が残って、透明な部分の表面に凸凹が残ります。
その凸凹をならして平らにするために
もう一度焼きます。
これで白い四角い部分が盛り上がった状態で
間の透明な部分が平らになった板ができます。
それをスランピング技法でお皿の形に成型して完成です。

透明なガラスの中にパーツを埋め込む場合、
並べたパーツの上全体にかぶせるように
透明なガラス粉を置いて高温で焼くことで
穴を防ぐ方法もありますが、
その方法だと、全体が厚くなり、
パーツの部分も透明の部分も
全部が平らになってしまいます。
Y.M.さんは、四角いパーツが盛り上がった状態にしたかったので、
その方法は採用しませんでした。

パーツの間を粉で埋める方法を採用したので
お皿全体の厚みが薄くなり軽快さが出ました。
お皿に触ると、白い四角が膨らんでいて
パーツの柔らかな丸みも感じられます。

色を使わないシンプルデザインの中に
さりげない魅力が溢れる作品になりました。