ガラスとも陶器とも違う独特な風合いの小皿(T.J.さんの作品)
「不透明でマットな感じの色で作品を作りたいんですけど」
「不透明でツヤがない感じってこと?」
「そうです」
ということで作り始めたのですが...
教室には約160色の色ガラスを用意してあって、
その中には不透明色と呼ぶ色もあります。
でも、ガラスですから、
そんなにマットな感じではありません。
そこで、相談した結果、
陶芸用の顔料を使ってみましょう、
ということになったのですが、
教室に用意してあるものじゃないので、
色見本すらありません。
それだと仕上がりの色が分からないので、
先に進めませんから、
色見本から作ることにしました。
最初は黒い顔料と白い顔料を混ぜて使る
グレー系の色見本です。
黒と白を混ぜるときに黒の比率を増やしていくと
薄いグレー、ちょっと濃いグレー、濃いグレー、
という具合に色が濃くなっていきます。
それを焼成してガラス板を作っていきます。
根気よく一つ一つ、記録をとりながら
濃さの違うガラス板を何枚も作ります。
同じようにして、青と白の顔料で
水色系の色見本も作ります。
気がつくと、色見本を作るのに
半年以上かかってしまいました。(汗)
その色見本を見ながら、使う色を考えて
デザインを決めていきます。
まず、水色の顔料を使って作ったベースの上に
白い顔料を使って作った輪っかと三つの丸を
重ねてみました。(上の写真)
黒とグレーを組み合わせた
作品も作りました。(下の写真)
普通のガラスとはちょっと違う、
陶器とも違う、
不思議な感じの作品が出来ました。
1年かけて、
手間を惜しまず、丁寧に
一つ一つ作業してきた結果の作品です。
その重みが伝わってきます。