多様な表情を見せるガラスの粉
パウダーフュージング技法はガラスの粉からガラス板を作り、
ガラスの粉で絵を描きますが、
一口に粉といっても粒子の大きさがいろいろで、
その大きさでガラスの表情が変わります。
粗塩くらいの細かな粒子のガラス粉(上写真の左側)でガラス板を作ると、
和紙のような柔らかな風合いの板ガラスができます。(下の写真)
粒子が細かいと、粒子の間に細かい隙間が沢山でき、
電気炉で加熱してガラスが液状に溶けたときに、
隙間の空気がガラスの中に残って小さな気泡になり、
それが光を乱反射させて和紙のような柔らかな表情を作り出します。
ザラメくらいに粒子が大きくなると、(最初の写真の右側)
隙間が大きくなり、同時に隙間の数が少なくなりますから、
気泡が大きく、そして、少なくなります。
その結果、気泡の乱反射が少なくなり、
透明度が増してクリアな風合いになります。(下の写真)
どちらも原料のガラスの塊は同じもので、(下の写真)
粒子の大きさの違いだけで表情に差が出ます。
そこが面白いところです。
さらに、ガラスには色が沢山あり、それを混ぜると
透明度が異なる色ガラスができ、表情が変わるわけですから、
バリエーションは無限大と言っていいでしょう。
これがパウダーフュージング技法の面白さの源泉だと思います。
バリエーションが無限大なので、追及すると止められなくなります(笑)
コメント
こんばんは。
ざらめ程度の粒の大きさ(透明度)で色ガラスを作りたい場合、色ガラスの方の粉の大きさも同じくらいのざらめ程度のものを使うのでしょうか?
粒の大きさが違うと色の濃度がまだらになってしまいそうで心配です。
ザラメ状のガラスの粉に色をつけるときは
パウダー状の色ガラスの粉をザラメガラスに加えます。
おっしゃるとおり粒の大きさが異なるとまだらになってしまいます。
その場合、ザラメガラスに霧吹きで水を全体にかけ湿らせてから
パウダー状の色ガラスの粉をまぶすようにすると均一に色がつきます。
よぉ~く見るとパウダー状の細かい色の粒が見えますが
こうすると透明度のある色のついた板ガラスができます。
ありがとうございます。
以前、霧吹きで湿らせてまぶしたもので色付きの板ガラスを作ろうとしたのですが、焼きあがった時ガラスにシェルフプライマーがしっかりと焼きついてしまい全面をサンドブラストで取り除いたことがありどこかやり方がまずかったのかと悩んでいました。
と書きながら気付いたのですが、霧吹きで湿らせた場合は、焼く前にしっかりと水分を乾かすべきだったのでしょうか。でも乾いてしまうと水でくっついていた粉とザラメが離れてしまうような気もします。度々すみません。
P.S.
今、自宅を改装中で、玄関の壁に自作の板ガラスを何枚か埋め込みたいと思い制作を始めているのですが、こちらのサイトに書いて頂いている内容がとても参考になっています。色々と丁寧にありがとうございます。
お返事遅くなってしまいました。
シェルフプライマーがガラスにしっかりと食いついてしまうのは
主に下記のような原因が考えられます。
焼成温度が高すぎる。
トップの温度で長い間保持した。
また、色ガラスによっては溶ける温度が低く
シェルフプライマーが食いつきやすいものもあります。
また、湿らせたガラスは私は一晩ほどおいて乾いてから
窯入れをしています。
乾いてもそのまま窯に入れれば粉とザラメの状態は変わりません。