青い花の小鉢(I.M.さんの作品)
最初、青系のカケラを使い、
サギング技法で成型して小鉢を作るつもりでした。
サギング技法は、
中央部分に穴が空いたドーナツ状の型に
ガラス板を乗せて加熱し、
穴の部分のガラスが溶けて下に落ち込むのを
利用して成型する技法です。
この加熱工程で穴の部分は落ち込みますが、
周囲の部分は型に乗った状態で平らなままなので、
ガラス板は、つばのある帽子のような形になります。
そのつばを切り落として鉢の形にするのですが、
I.M.さんは、うっかり、つばの部分を切り過ぎて、
鉢の縁になる部分が凹んでしまいました。
そこで、その凹みを活かして、
小鉢の縁を6カ所凹ませて花のような形にしました。
目視でバランスを見ながら削って
6カ所の凹みを作るのですが、
これが、案外難しい!
削る位置が少しでもずれると、
どう修正すればいいのか
分からなくなってしまうからです。
そこで、分からないまま削ると
形が崩れて、さらに分からなくなってしまいます。
でも、I.M.さんは上手に凹みを作りました。
モノの形を見る眼を持ってないとできないことです。
綺麗に等分に6カ所削った形が美しく、
青い可憐な花を思わせる作品になりました。