金魚が揺らぐそうめんの大鉢

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ガラス教室の作品紹介  2023/09/25 (月) 07:10 水吉郁子
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今年の夏が始まる頃、
S.Y.さんが
暑い夏を楽しむそうめんの鉢が欲しい、ということで
作り始めました。

まず、金魚のパーツ作りです。
盛り塗り技法で、
シートに金魚の絵を描き、
焼きます。
盛り塗り技法は
水彩画を描くように数色を重ねて描くと
写実的な表現もできます。
リアルな金魚のパーツができました。

次は、水をイメージしたベース板です。
透明のガラスにシアンブルーを少し入れて焼きました。

できたベース板の上に金魚のパーツを置いて、
全体のバランスを見ます。
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全体のバランスが決まったら
ガラス粉をかぶせて焼く工程に入りますが、
そこで、ひと工夫します。

水槽の底にいる金魚と水面近くの金魚の
奥行き感を表現したかったので
水面近くにいる金魚を一旦外して
下の方にいる金魚だけベース板の上に残し、
上から透明のガラス粉をかぶせて焼きます。

そして、焼き上がったベース板の上に
水面近くの金魚を乗せて、
今度は低温で焼き付けます。
これで、ガラスの中に焼き込んだ金魚と
アップリケのように表面に焼き付けた金魚に
奥行き感が出ました。

最後、裏側に水の波紋の凸凹をつけて
スランピング技法で成型して完成です。

優雅に泳ぐ金魚が揺らいで見える風景が
そのまま器になりました。
美しい~!

いろいろな要素を入れて、
何度も繰り返し焼いてできた大作です。
焼く回数か多かったことで
思ったよりも時間がかかり
9月にやっと出来上がりました。
「夏の間にこれでそうめんが食べたい!」と
言いながらの制作作業でした。
その思いが通じたのか、
今年の夏は長かったなぁ~。

小さめのボウルも作りました。
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