素材の美しさを生かした深皿(Y.S.さんの作品)

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ガラス教室の作品紹介  2017/08/27 (日) 15:09 水吉郁子
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ガラスの粉から板を作るとき、
2種類のガラス粉を使い分けます。
一つは粗塩サイズの砂状のガラスの粉で、
和紙のような柔らかな風合いの白いガラス板になります。
もう一つはザラメ状のガラスの粉で、
こちらは透明のガラス板になります。

綺麗にガラス板を作るポイントは
粒の大きさを揃えることと、粉を平らに置くことです。
これが上手く行かないと、
ガラス板に穴が空いたりします。
なので、普通は砂状かザラメ状か
どちらか一方だけ使います。

Y.S.さんはこの基本をあえて破って、
砂状とザラメ状の両方を使って大皿を作りました。

まず、砂状の粉を半月型に置きます。
このとき、透明と白の境目の部分で
砂状の粉が徐々に薄くなるように厚みを調節します。
砂状とザラメ状の粉を混ぜると
焼成したときに上手く行かないので、
厚みで透明度を調節するわけです。

そして、残りの半月部分に青や白のカケラを散らして
上からザラメ状のガラス粉を被せて器にしました。

こういった作品を作るには、
どんな粉をどのように置けば、どんな板ができるのか
分かっていないといけません。
それが分かってるY.S.さんならではの作品です。

散りばめたカケラが爽やかで
和紙のような風合いと透明感のある風合いの
両方を合わせ持った作品になりました。

Y.S.さんは同じ方法で、ぐい呑みや小皿も作っていて、
現在、開催中の南浦和ギャラリー美沙和の
「パウダーフュージング7人展」
に出展しています。
その他にも、繊細に描いたキノコや鶴の
ワンポイントが入った作品もあります。
展示会で実物をご覧ください。