模様と色が調和した器(T.M.さんの作品)
先日、カケラ使いの達人を紹介しましたが、
今日紹介するのは、別のタイプの達人です。
今から25年ほど前、
パウダーフュージング技法を考案して、
ガラスの粉で絵を描く方法を思いついた頃、
試しに、ガラス板にめいっぱい
絵を描いたことがありました。
でも、上手く作品に仕上げられないまま、何年か経ち、
結局、教室のカケラ箱に入れてしまいました。
他の小さなカケラと違って
丸くカットすれば、そのままお皿が作れるような
大きなガラス板だったのですが、
大きければ使えるかというと、
そうでもありません。
絵が描いてあったりすると、
描いた人の個性が強く出るので、
調和をとるのが難しいからです。
そのガラス板を拾ったのがT.M.さんですが、
私が持て余したものなので、
作品に仕上げるのは簡単ではありません。
教室備え付けの個人ボックスの中で保管し、
ときどき取り出して眺め、再び箱の中へ、
繰り返すこと数年、
少しづつ頭の中でイメージをまとめていき、
ようやく作品になりました。
四角のパーツの組み合わせが上手で、
バランスがとれているところが
美しいのですが、
私は、中央のハートに目が留まりました。
ハートって世の中に溢れ過ぎてて、
上手に使うのが意外と難いのですが、
大人っぽく、おしゃれな感じになっていて、
作品全体をまとめあげる存在になっています。
センスの良さを感じますね。