ガラスの粉を焼成してガラスの板を作るとき、
粉の粒子の大きさで風合いが変わります。
たとえば、ザラメサイズの大きな粒子だと透明の板ができますし、
粗塩サイズの細かい粒子だと乳白色の板ができます。
つまり、粒子が大きいほど透明度が高くなり、
逆に粒子が小さいと透明度の低い、
乳白や白い優しい色になります。

Y.M.さんは、この風合いの違いを生かして
楕円皿を作ることにしました。

まず、棚板にザラメサイズの粉を楕円型に平らに置きます。
（これを焼くと透明度の高い板になります。）
その粉の上にケント紙を切り抜いて作った型紙を置き、
上から乳白色の細かい粉をスプーンを使って振りかけます。
これを焼いて、スランピング技法で成型して、
楕円皿の完成です。

普通、型紙を使って模様をつけるときは
茶こしなどを使って均一になるように粉を振りかけます。
そうすることで、境界線がクッキリして
型の形がよく分かるようになります。

しかし、Y.M.さんは形を曖昧にしたかったので
スプーンで粉を型紙の上から振りかけて、
ムラが出るようにしました。
これで、形が見えるような見えないような、
霞んでいるような、独特の焼き上がりになりました。

作品に陽の光があたってテーブルに映る影が
作品と同化してて面白い。

模様違いも作りました。