昨年（2019年）11月、パウダーフュージング教室に
M.M.さんが見学に来ました。
私が技法と教室について簡単に説明をすると、
M.M.さんが
「私、この絵をガラスで表現したいんです！」
と一枚の絵を見せてくれました。
それがチベットの女神「グリーンターラ」の絵でした。

絵柄が細かいので、ちょっと難しいかな？
とは思いましたが、
慣れれば何とかなるだろうと思い、
「できますよ♪」と応えると、
M.M.さんは
「ホントですか！ なかなか他のガラス技法ではできなかったんです！」
と言って、12月から教室に来ることになりました。

では、制作工程ですが、
絵柄が細かくて複雑ですけど、工程はシンプルです。
色ガラスの粉で背景になるガラス板を作り、（下の写真）
そこに根気よく丁寧に絵を描くだけです。


背景のガラス板の下に下絵を置き、
その通りに盛り塗り技法で面を塗り
絞り出し技法で線を描いて
グリーンターラのガラス絵の完成です。

一つだけポイントをお話すると、
盛り塗り技法は光を通さない仕上がりになる点です。
背景のガラス板は光を通すので、
後ろから光を当てると
女神様に後光が差しているように見えます！

ガラスの粉は粒子が大きく、
絵の具のような滑らかさがないので
慣れるまで細かな表現は難しいのですが、
M.M.さんはこの方法が肌に合ったのか
細部の手間のかかる部分でさえも
「ガラス粉で絵が描けるなんて私幸せ～～」
といいながら丁寧に絵を描いていました。
女神様を描きたい！という
強い思いが筆先に神様を宿らせたのかもしれません。

グリーンターラは観音様の右目の涙から生まれたとされ
病気、災いを取り除き、幸福を招くといわれ、
この女神にお願いすると、ことごとく叶うと信じられる
すごい神様です。
この作品を見ていたら
私もお願いしたくなりました。
みなさんもお願いしてみませんか？
良いことがあるかもしれませんよ♪