引き立て合う花とガラス(M.Y.さんの作品)
パウダーフュージングと生け花で創作を楽しむM.Y.さん、
モンステラをモチーフにして作った
パウダーフュージングの花器を使った生け花を
「草月いけばな展」に出展しました。
その花器を紹介します。
最初、ケント紙をモンステラの葉の形に切り抜いて型を作ります。
その型を使って、棚板の上にグリーンの粉を配置し、
上からザラメ状のガラス粉を被せます。
花器の一部に穴を空けて、
そこからモンステラの葉を出して花を生ける予定だったので、
ザラメ状のガラス粉の一部を指でグリグリと押し広げて穴を空けました。
焼成後のガラス板に穴を空けるのは大変ですけど、
焼く前の粉の状態なら穴を空けるのは簡単です。
その後、電気炉で焼成するとき、
ガラスの粒を残すため、低温で焼成しました。
その結果、粒の形が残ってキラキラした感じになり
モンステラの葉に表情が出ました。
それをU字形の型で成型して花器は完成です。
この花器の後ろに水を溜めた器を置き、
そこに花を生けました。
ガラスがキラキラしているので、後ろの器は見えません。
ガラスの花器と生のモンステラが同化、交錯し、
花器を流線型に結ぶ実の付いた枝に動きが感じられ、
不思議な立体感と空間を感じます。
ガラスが主役ではなく、植物が主役でもない
二つの素材が互いを引き立て合う作品になりました。