大きくないけど超大作の四角皿(T.M.さんの作品)
「このナプキンのような四角皿が作りたいんです。」(2番目の写真)
というT.M.さん。
率直なところ、これをガラスで作るのは大変だなぁ、と思いました。
色も模様も満載なので、
この部分はあの方法で、こっちはあの方法で、
という具合にいろいろな技法を使う必要があり
かなり手間がかかるからです。
中には、試してみないとうまく行くかどうか分からない部分もあります。
でも、頭を柔らかくして、あれこれ考え、試しながら
作品を仕上げていくのは、モノ創りの醍醐味です!
とにかく、ナプキンの細かい模様はあまり気にせず
色と雰囲気を壊さないように注意して
一つ一つ作り上げていくことにしました。
まず、ナプキンの中の絵や模様を表現したパーツを作っていきます。
ナプキンの中にある色でガラス板を作り、
それをカットして、陶芸用の転写シートを貼り、
表面に模様をつけました。
ペン型やクレヨン型の陶芸用絵付け材料も試してみました。
ペン型は中央部分にある文字のところに使ってみたら上手く行きました。
クレヨン型は、縁回りのかすれた線の部分に使えそうだったので、
試しに焼いてみたのですが、色が薄く、使えそうにないので却下!
却下したら、その代わりを見つけないといけません。
いろいろ試した結果、
黒いガラス粉を透明のガラスの粉と混ぜて、低温で焼き、
わざと擦れさせたり、ラインをガタガタにすることで、
ナプキンの雰囲気を再現できました。
この他にも、小さなカケラを丸く焼いてみたり、
いろいろな色のカケラを砕いて斑模様のガラス板を作ったりして、
約1年かけて、パーツを一つずつ揃えて行きました。
パーツが揃ったところで、それを1枚のガラス板にまとめます。
パーツを並べて、上から透明のガラス粉を被せ、
電気炉で焼成して、1枚のガラス板にします。
最後、ガラス板を4枚にカットして、
スランピング技法で成型して完成です。
イメージ通りに行かず、何回も試した部分も沢山ありましたが、
根気よく、納得できるまで工夫してできたのがこの組皿です!
一辺17センチほどの手頃な大きさのお皿ですが
存在感のある超大作です。