トンボのガラス絵(M.M.さんの作品)

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ガラス教室の作品紹介  2015/12/29 (火) 19:38 水吉郁子
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「先生、割れちゃいましたぁー」
後ろからM.M.さんの声が聞こえたので振り返ると、
制作途中だったトンボ柄のガラス板が割れていました。
切るときに失敗してしまったのです。

割れた個所をピッタリ合わせて電気炉で加熱すれば、
板は溶着してくっ付きますが、くっ付けた跡が残ってしまうので、
失敗を隠すことはできません。
こういうときは、気持ちを切り替え、
割れたガラス板で何が作れるかを考えるしかありません。
そして、考えた末、割れたガラス板の形を活かして、
トンボ柄のガラス絵を作ることにしました。

ガラス絵は板を3枚溶着して3層構造にします。
その表面がトンボ柄のガラス板です。
真ん中の層に幅1センチ長さ4センチほどの細長い切れ込みを入れ、
その両側をガラス板で挟むことで穴ができますから、
そこに金具を挿し込めば、絵を立てて飾れます。

トンボ柄の板は割れた個所をデザインとして活かすため、
わざと離すことにしました。
ただ離すだけだと、間が抜けてしまうので、
その部分は、一番下の層にもトンボ柄を置きます。
真ん中の層のガラスを通して、下のトンボ柄が霞んで見え、
奥行きが生まれ、そこに風や空気を感じられるように。

作品は思い通りに仕上がり、(上の写真)
M.M.さんのお気に入りになりました。
割れたガラスを活かすことで、
平面的になりがちな型紙の模様が、空間を感じさせる絵柄になりました。
折角作ったトンボ柄のガラス板を活かしたいという想いと、
柔軟な発想があったからこそですね♪

最初に作ったトンボ柄の板が大きくて、
細長いトンボ柄の板が余ったので、
そこに透明のガラスを追加して長皿も作りました。(下の写真)
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