編目状のガラスシート(N.Y.さんの制作過程)
簡単にガラスの粉からガラス板を作れるのが、
パウダーフュージング技法の大きな特徴です。
ガラス粉は150色以上ありますし、
粉を平らな棚板に置いて焼くだけですから、
好きな色で自由に模様を作れますし、絵を描くこともできます。
ガラスの厚さも棚板に置くガラス粉の厚さで調節できます。
でも、板を薄くするのは限界があって、
約2ミリ以下に薄くすることはできません。
ガラス板に穴が空いてしまうからです。
その理由はガラス粉の性質を考えてみると分かります。
ガラス粉は小さなツブツブでできてて、ツブツブの間に隙間が沢山あります。
それを電気炉で焼成するとツブツブが溶けて
互いにくっつきあって、液状になります。
そのとき、ツブツブの間にある隙間がなくなり、
隙間がなくなった分だけ縮みます。
そして、縮んだときに厚さが足りないと穴が空いてしまうんです。
普通、穴が空いちゃったら失敗なのですが、
N.Y.さんは、この性質を逆に利用して編み目状のガラスシートを作りました。
慎重に、薄く薄く! 均一に!
棚板がガラスの粉でやっと覆われる程度の薄さに粉を置いて電気炉に。
すると、小さな穴が沢山空いて、編目状のガラスシートになります。
蔦が伸びているようにも見えます。
逆転の発想ですねー。
こうやって見方を変えるというのもモノ創りの面白さです!
編目状のガラスシートは非常にもろく、
ちょっとさわるとパリパリと壊れてしまします。
そこで、下に透明のガラス板を敷いて
その上に編目状のシートを乗せて再度焼成しました。(下の写真)
これで安心して触れて、素材として使えます♪
これからどんな作品になるのか楽しみです♪