たい焼きのガラス絵(ガラス教室のU.A.さんの作品)

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ガラス教室の作品紹介  2023/11/11 (土) 20:29 水吉郁子
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今日紹介するのは、U.A.さんのリアルなガラス絵です。

制作工程に沿って説明しましょう。
まず、背景となるチェック柄の板を作ります。
ピンクとブルーの板を作り、
それを1センチ幅の短冊状にカットし、
それを格子状に並べて、
上から透明のガラス粉を被せて
焼成します。

次は、テーマとなるたい焼き。
プラスチックシートに
たい焼きの皮の色のガラス粉でたい焼きを描き、
乾燥させたら、
その上にあんこ色の粉を塗り、
再び乾燥させて、
更に上からもう一度、皮の色の粉を塗り重ね、
表面にたい焼き模様の凹凸をつけ、
再度乾燥させてから、焼成します。
本物そっくりの厚みのあるたい焼きです。

次は、丸くて白いガラス板です。
粉を焼いて板を作り、
絞り出し技法で赤い線と文字を描きます。
白い円の上にたい焼きを乗せることで
たい焼きがくっきりと見えて、
チェック柄も美しく見えます。

背景とパーツができたら、
それを重ねて加熱溶着して完成です。

一目見て、まず、そのリアルさに驚きます。
凹凸をつけた皮の薄くなった部分をよく見ると
皮の下のあんこの色が透けて見えます。(下の写真)
中身のあんこは外から見えないのに、
本物と同じようにあんこを入れ、
それがわずかに透けて見えることで
本物らしさが増しています。
このこだわりがすごい。

U.A.さんは、写実的な表現だけでなく、
スッキリとしたグラフィカルでデザイン化された
作品も作ってます。
写実的とデサイン化は対極的なイメージがありますが、
この作品は、デザイン化された背景と
写実的なたい焼きがうまく調和しています。
U.A.さんならではの感性ですね。

U.A.さんは、今月(2023年11/21~26)、
初個展「氏家明子ガラス展」を開く予定で
そこにこの作品を出展するそうです。
(こちらに案内ハガキがあります)
写実的な食べ物を小さなピンズに仕立てた作品や
スッキリとしたデサインの器も出展するとのことで、
写実的な作品とデザイン化された作品の
両方が並ぶ空間を見てみたくなりました。
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