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キハダのランプ(N.F.さんの作品)
自分の背丈ほどもあるような魚を釣ったり、
魚を求めて日本中出かけたり、
N.F.さんは、趣味の域を超えた釣り好きで、
パウダーフュージング教室に通い始めた当初から、
魚のランプを作るのが念願でした。
そして、教室通いも数年経ち、
ガラスのことが分かってきたので、
念願の魚のランプを作ることにしました。
最初、キハダをデッサンして作品のイメージを固めます。
そして、魚の微妙な色合いに合わせて
ガラス粉を調合して何色も作っておきます。
それを砂絵を描くようにして棚板の上に置いて
魚の形を作ります。
それを焼成して魚の形のガラス板にします。
次は、スランピング技法での成型ですが、
お皿のような単純な形ではありませんから、
キハダの形のスランピング型を自作して、
そこにキハダのガラス板を乗せて成型します。
言葉で説明すると簡単ですが、
ここまで来るのに約1年かかりました。
デッサンから始まる作業全てを丁寧に行い、
多数の工程を経ると、
それくらい時間はかかります。
でも、まだ完成ではありません。
次は、成型したガラス板をルータで削って
ヒレなどの、細かくシャープな形を作る工程です。
ガラス板が平らな状態なら、
万一失敗して割れても焼き直して修復できますが、
スランピング技法で成型した後は
失敗したらやり直しがききません。
おまけに、背ビレ、腹ビレ、その後ろの黄色の突起など
キハダには細くて長い箇所がたくさんあります。
ここでN.F.さんは躊躇なく削っていきます。
細くて長いと、当然、ガラスが割れる危険度が上がりますから、
私なんか、もう、割れるのが怖くて
「もうその辺でイイんじゃないの?」
と半ばお願いする気持ちで言うのですが、
N.F.さんは
「黄色い突起がないとキハダにならないし、
本当は胴体と尾ビレが繋がるところをもっと細くしたい」
と言います。
魚をよく知っていますから、思い入れがあるんですね。
そして、「気をつけて削ります!」と、気合いの一言。
その後、慎重に削り終え、
無事、体長50センチのキハダランプが完成しました。
迫力です。
今にも動き出しそうなキハダがそこにいます。
生きる力強さがこちらに伝わってきます。
色や形もきれいです。
ガラスの魚だけでは自立しないので
木で展示台を作り
ウッドバーニングで波の模様を描きました。
更に迫力が増した感じです♪