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宇宙が広がる器(S.N.さんの作品)
幻の技法と言われ、天目茶碗の最高峰と位置づけられ、国宝にも指定されている
曜変天目茶碗をガラスで表現してみました。
吸い込まれるような深い色合いの中に星の瞬きや宇宙を感じるような模様。
その美しさに魅せられたS.N.さんは、ガラスで表現したいと思いました。
まず、曜変天目茶碗の写真をじーーーーーーっと見て、
ベースになる黒をメインに、青と紫の色ガラスを複雑に重ね合わせてベースを作り、
そこに緑や黄色で模様を描き込みました。
描いた模様がどのように見えるか、やってみないと分からないので、
様子を見ながら、描いては焼き、描いては焼き、
何度も繰り返して仕上げました。
曜変天目茶碗のような、
窯の中の化学変化でできる予期できない色の変化を
手で描くのはとても難しく、
全く同じというわけには行きませんが、
作者の作りたいという執着とイメージが伝わってくる
見ていると吸い込まれそうな宇宙を感じる作品になりました。
ガラスに光が当たると、
深い色合いの黒の中に青や紫が浮き上がり、
見ていて飽きません。
そこに潜む色を、器を回しながら、いつまでも覗いていたくなります。
ガラスでなければ表現できない、
陶器とは違った魅力のある作品になりました。