見たことないガラス板を作る(N.Y.さんの制作過程)

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ガラス教室の作品紹介  2019/06/06 (木) 10:36 水吉郁子
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N.Y.さんは万華鏡作家です。
万華鏡の中に入れるパーツ(オブジェクトと呼ぶそうです)やボディを
素材の段階から全て自分で作り、
唯一無二の作品作りを目指しています。
そして、独自なガラスを作るために、
教室に通い、試行錯誤を繰り返しています。

ここ1年ほどは
「誰も見たことがないマーブル模様のガラス板で万華鏡のボディを作る」
ことを目指して模索してきました。
色の付いたガラス粉を棚板の上に薄く置いて層を作り、
その上に別の色の粉を薄く重ね、
それを繰り返して、たくさん層を重ねたところで、
指でグリグリして粉を混ぜてみたり、
棒で引っ掻いてみたり、
いろいろ試してきました。

なかなか、思うようなガラス板ができなかったのですが、
先日、層を重ねた後、
上から波状の板を押し当てみたら
面白い感じになりました。
波の出っ張った部分が当ったところの
ガラス粉が押し退けられて、
下の層の色が見えるようになり、
それが不思議な模様になったんです。
その表面を、もう一度平らにして
焼成したのが上の写真のガラス板です。

マーブル模様ではありませんが、
いろいろな色が層になっているのが見える
ガラス板になりました♪

面白いですねー!
ただのガラス板なのに、すごい存在感があって、
見たことないガラス板を作りたいという
意志が伝わってきます。

N.Y.さんが言うには、
万華鏡のボディは、単に中身を入れる為の箱ではなく、
中を覗いて見える世界と、
ボディの印象が互いを引き立てあって、
両方で一つの作品になるんだそうです。

そういう話を聞くと、
このガラス板で作った万華鏡を覗いたら、
どんな世界が見えるのか、
今から楽しみになります♪