恋の炎に燃えるハート王子(T.M.さんの作品)
この作品は、ガラス板を削ってパーツを作り、
それを配置してガラス絵を描いて作りました。
ガラス板を削って絵を描く方法は
手間がかかって大変なので、普通、やらないのですが、
T.M.さんはガラス板を削って形を整える作業が大好きなので、
あえて大変な方法でガラス絵を作ることにしました。
削って作ったことを際立たせるために色数を抑え、
でも、華やかさは欲しいので、
銀箔を焼き込んだガラス板を使っています。
制作途中、削って作ったパーツを並べたのが下の写真です。
パンツのしわも、手に持っている棒も、
全部ガラスを削って作っています。
写真だと分かりにくいのですが、
棒やパンツのしわは1ミリ~1.5ミリほどの幅しかありません!
こんなに細いと、削る途中でガラスが割れてしまうのですが、
そうならないように細心の注意を払って作ってあります。
その集中力は驚きです。
そもそも、そんな細い線を描くのに、
ガラスを削ってパーツを作ろうなんて考える人はいません。
でも、T.M.さんは削って線を描きます。
ワクワク感を漂わせながら削るT.M.さんの姿を見ると、
こちらも楽しくなってしまいます。
作品のテーマは「恋の炎に燃えるハート王子」。
T.M.さんの奥様が福山雅治の大ファンで、
そっちばかり見ているので、
「僕も見てくれー!」という気持ちを重ねているそうです。
立体感を出すためにマントをベースのガラス板に埋め込んだり、
恋に燃える感じを出すために目をピンク色にしたり、
削るだけではない、いろいろな工夫が盛り込まれた、
見応えのある作品になっています。
また、削ったパーツで統一することで、
作品に作者ならではの個性が生まれました。
そこも見逃せません。
でも、この作品を見た教室の人達は、T.M.さんのことを
「ハート王子」ではなく「削り王子」と呼ぶようになりましたけど(笑)