モザイク模様が生きた中皿(ガラス教室のW.T.さんの作品)

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ガラス教室の作品紹介  2020/05/05 (火) 19:06 水吉郁子
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W.T.さんはパウダーフュージングを始めて3年ほど経ちました。
これまで、いろいろな技法で作品を作ってきましたが、
今回はモザイク技法を用いて制作することにしました。

まず、ストライプ模様のパーツ作りです。
白いガラス粉の上に青と緑系のガラス粉で薄い層を作り、
電気炉で焼いてガラス板にした後、
細く切って断面が見えるように並べて再度焼成し、
それを四角くカットしてパーツはできあがりです。

そのパーツを十文字に並べ、
上から透明のガラス粉を被せ電気炉で焼きます。
これで、透明の中にストライプ模様の四角いパーツが
十文字に並ぶガラス板ができました。

そのまま成型してお皿に仕上げても良かったのですが
少し寂しい感じがします。
かといって、透明の空間に色や模様を付けると
モザイク模様が生かされません。

そこで、右下の透明部分に
透明の細かいガラス粉を薄く置いて低温で焼きました。
低温で焼いたことでガラス粉の凸凹がかすかに残り
磨り硝子のような仕上がりになりました。
写真では分かりにくいかもしれませんが、
十文字のパーツの近くに薄い線が見えます。
それが細かいガラス粉を置いた部分との境目です。

色を使わずに、表面に変化をつけたことで、
シンプルさを保ったまま、面白さも出せました。
お皿としての使いやすさも兼ね備えた作品です。