吹きガラスのカケラで作った帯留め(T.K.さんの作品)
作者のT.K.さんは普段から着物を着る機会があるそうで、
着物とガラスを一緒に楽しもうということで、
吹きガラスのカケラと粉ガラスを合わせて帯留めを作ることにしました。
でも、帯留めのような筒状の形は
パウダーフュージング技法にとって苦手な形です。
板ガラスやお皿のような平面的な形と違って、
スランピングやサギングといった普通の方法では成形できないからです。
そこで一工夫してみました。
まず、2枚のガラス板を作って、その間にアルミナシートを挟んで焼成します。
上が電気炉で焼く前の写真で、下が焼いた後の写真です。
加熱することでガラスが柔らかくなり、
上に置いたガラスがアルミナシートに覆いかぶさるような形で垂れ下がり、
下のガラスとくっつきます。
その後、両側に突き出た翼のような部分を削って筒状の形の帯留めが完成です。
パウダーフュージングという技法の性質をよく理解して、
いくつかの工程の中でどのようにしたら希望の形ができるか、
考えを巡らせる時間も楽しいものです。
爽やかな夏の着物に赤い帯留めがポイントになって素敵です♪
色の対比も素敵ですが、ガラスという素材で涼しげに見えるところも良いですね~。