下地の層を作ってその上に絵を描く

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パウダーフュージング技法  2023/10/25 (水) 18:41 水吉郁子
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これまで、絵を描くときは
ガラス粉のペーストを使って
ベースのガラス板やプラスチックシートの上に
直接描いていました。
そのとき、ガラス板やプラスチックは水分を吸ってくれないので
ペーストの水分が流れ出てしまう問題がありました。
それを防ぐため、水分を減らしてペーストを作るのですが、
そうするとペーストが固くなってしまい、
筆で描くのが難しくなります。
今回の話題は、その問題を解決する方法です。

新しい方法は、
盛り塗り技法で下地の層を作り、
その層を一旦乾かした後、
その上に絵を描く方法です。
こうすると、下地の層が水分を吸ってくれて
水分が流れるのを防いでくれます。
水彩絵の具で紙に絵をかくときに、
紙が水分を吸ってくれるような感じです。
実際、見た目も描き心地も
画用紙に描くのと似ています♪
ぽってりと、ある程度の厚みで塗れば
しっかりとした色が出るし、
ペーストの水分を増やしてピチャピチャにして描けば
薄い色や掠れたような表現もできます。
本当に水彩絵の具で描く感覚に似てます。

こうして絵を描いたら、
上から透明のガラス粉をかぶせて焼きます。

この方法で作ったのが上の写真です。
ワニの緑色は全部同じ色なのですが
厚く塗ったところは色が濃くなり、
薄く塗ったところは色が薄くなります。
その濃淡で顔と胴体の境目を表現しています。
グラデーションも自然ですし、
不透明の白いベースの上に描いた透明感のある色と
ガラス粉の粒々感が面白くて
何だか、とっても綺麗。
見たことのない、優しくて不思議な風合いです。

この作品、今開催中の(今月27日までの開催です)
パウダーフュージング教室展に出展しています。
こちらに教室展の案内があります

色違いも作ってみました。
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