4年ほど前から作り続けている野の花シリーズ。
月や太陽の下で、
風や季節の香りを感じられるような作品にしたくて
少しづつ作り方を変えてきました。
変えたのは、野の花の絵柄ではなく、
その背景になるベースのガラス板の作り方で、
この作品が四つ目になります。
ベースのガラス板は、色が違う板を何層か重ねていますが、
前作は、繊細な野の花の絵柄を際立たせるために、
一番上の白い色を不透明色にしていました。
そして、縁周りを斜めに削り込み、
白の下に重ねた色が少しだけ見えるようにして、
その色が作り出すラインがアクセントになるようにしました。
狙い通り、繊細な野の花が際立った作品になったのですが、
また、違うイメージが浮かんできて、作ったのが今回の4作目です。
一番の違いは、
ベースのガラス板の一番上にくる白い色を透明色にしたことです。
透明色といっても、細かい粉からガラス板を作りますから、
窓ガラスのような透明ではなく、
和紙のような風合いの柔らかな半透明な乳白色になります。
それを上に置いたことで、ガラス一枚分の空間ができ、
上に描いた野の花が浮いて見え、
奥行きが感じられるようになりました。
また、その空間に和紙のような風合いがあるので、
そこを通して見える下の背景が霞んだようになり、
実際には1ミリ程度しかないのに、
深い奥行きを感じ、そこに吸い込まれそうになります。
とても微妙なので
写真では分かりづらいかもしれません。
今後の展示会に出品しますので
実物を見ていただけると嬉しいです♪