パウダーフュージング技法の作品作りには
電気炉でガラスの粉を加熱焼成する工程が欠かせません。
温度変化が激しいとガラスは割れてしまうので、
この工程はゆっくりと時間をかけて行います。
そして、その時間は作品が大きくなると、どんどん長くなり、
1日じゃ終わらなくなります。
そうなると、泊まり込みで電気炉の番をしなくてはいけません。
それは避けたいので、普段は、1日で終わるよう工夫して
作品を作っています。

でも、「海」シリーズを作っているうちに、
大きなガラスの塊の中に
果てしなく広がる海を作ってみたくなってしまいました。

最初は、何とか1日に収めようとして頑張ってみたのですが、
時間が足りず、見事に割れてしまいました。（泣）

いつもは、何が何でも夜は家に帰る、と心に誓っているのですが、
割れたままでは納得がいきません。（笑）
もう一度、最初からやり直し、
工房に泊まり込んで、普段の倍ほどの時間をかけて
作り上げました。
だから、この作品は、特別な作品と言えます。

ガラスの大きさ以上に
ずっと遠くまで広がる空間を
感じてもらえると嬉しいなぁ。

この作品、明後日（2018年10月16日）から開催される
「'18日本のガラス展」に出展します。
展覧会には私を含め111名の力作が並びます。
出かけるのが心地よい秋です、是非おでかけください。
私は10月19日（金）会場にいます。
こちらに案内があります。