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普通のことを普通にできる幸せ
私は、日常の中にある幸せや心地よさ、命の大切さなどをイメージして作品を作っています。
心地いい風を頬に感じたり、近しい人と話したり、暖かい日差しに目を閉じて空を向いてみたり
悲しいことさえも含めて命のあることを大事に思う、
そんな気持ちが伝わっていくといいなぁ~と制作をしてきました。
3月11日の東日本大震災のときは工房にいたので、
安全のため、電気炉のブレーカーを強制終了して外に逃げ出しました。
築45年のおんぼろ工房はねじれるように揺れ、
町を歩く人々が長い揺れにパニックになっていく様子を目の当たりにし、
本当に恐かったです。
工房に大きな被害はなかったため、仕事を再開しはじめましたが、
普通のことを普通にできる幸せを改めて痛感しています。
実害の少なかった東京近辺では、計画停電などの不便を押して、
多くの人が仕事に向かい、日常を取り戻そうと頑張っているのだと思います。
私も制作を通して、以前にも増して日常を大切に思う気持ちが伝わるといいなと思っています。
今は、そんな一人一人の頑張りや想いが復興につながるのだと祈りにも似た気持ちで信じるばかりです。